今回ご紹介するのはインパクトドライバ『TD157D』。
小型・軽量かつダブルボールベアリングを採用したマキタ18Vのハイエンドモデル。
「TD155D」の後継として2021年2月に発売された、最大トルク140N・mの造作作業向け機種。
今回はそんな『TD157D』についてレビューしていきます。
こんな方にオススメ♪
- 造作作業がメインでそこまでパワーは要らない
- 現場作業で雨に打たれたり粉塵が舞う可能性がある
- できるだけ軽くて振り回しやすい機種がいい
\当ブログの推しインパクトドライバまとめ記事はコチラ/
TD157Dのラインナップ
『TD157D』のセット内容の違いによるラインナップは2種類。
TD157DZ:本体のみ、 TD157DRGX:フルセット
そして本体色のラインナップは青、黒の2種類で、上記型式の末尾に何もつかなければ本体色:青、末尾にBがつけば黒となります。
TD157DZ/DZB:本体のみ
本体色 | 青/黒 |
バッテリー | 無し |
充電器 | 無し |
収納ケース | 無し |
その他付属品 | No.2(+)ビット、フック |
TD157DRGX/DRGXB:バッテリー2個(ハードケース)
本体色 | 青/白 |
バッテリー | BL1860B(6.0Ah)×2個 |
充電器 | DC18RF |
収納ケース | ハードケース |
その他付属品 | No.2(+)ビット、フック |
TD157Dの価格帯
ラインナップ | 定価 | Amazon価格 (2024年3月時点) |
---|---|---|
TD157DZ (本体のみ:青) | 20,800円 | 14,450円 |
TD157DZB (本体のみ:黒) | 20,800円 | 14,450円 |
TD157DRGX (フルセット:青) | 79,600円 | 55,250円 |
TD157DRGXB (フルセット:黒) | 79,600円 | 60,580円 |
TD173DZ (本体のみ:青) | 29,700円 | 20,691円 |
TD149DZ (本体のみ:青) | 18,000円 | 14,630円 |
インパクト本体のみだと、多少の前後はあるが14,500円前後で購入可能。
今回の調査時点では本体のみでは青と黒とで価格差は出てないですが、フルセットの方では黒の方が5,000円ちょっとお高く売られてました。
過去の価格を調査すると黒も55,000円ぐらいで売られている時期もあるので、高値づかみしないように購入タイミングには気を付けたいところ。
同じ18V機種と比較すると、「TD173D」とは約5,000円の価格差、「TD149D」とはほぼ同額となってます。
TD157Dの外観と基本スペック
今回購入したのは『TD157DRGXB』。
今回は楽天市場(約56,000円)で購入しました。
6.0Ahバッテリーが2個付属したフルセットの商品になります。
TD157DRGXBのセット内容
- インパクトドライバ本体 TD157D(黒)
- バッテリ BL1860B×2個
- 充電器 DC18RF
- No.2(+)ドライバビット
- 取扱説明書(PFD版はコチラ※マキタ公式HP)
6.0Ah取り付け時。
見た目的には10.8V「TD111D」の18V版といったところ。
全体的に小ぶりで、小回りが効き、非常に扱いやすい印象。
造作用としてであればそこまでバッテリーも消費しないので、小容量の2.0Ahバッテリー(BL1820B)をつけてより軽量化しても良さそうです。
6.0Ahバッテリ(BL1860B)搭載時で1500g。
下位機種の「TD149D」がBL1860B搭載時で1.6kgなので、100g分、軽くて扱いやすくなってます。
LEDは2素子×1灯。
明るくはあるもののの、照射範囲は限定的で、ビットの影もできちゃうタイプです。
各種機能
機能 | 内容 |
---|---|
モード設定 | 〇 (強/弱/楽らく) |
ゼロブレ | 〇 |
ビットワンタッチ取り付け | ✕ |
防水・防塵 | 〇 (APT) |
Bluetooth通信 | ✕ |
モード設定対応:3種類
モード設定種別は、弱/強/楽らくモードの3種類。
モード | 最大打撃数 | 用途 |
弱 | 2,000回/分 | 締め過ぎると雌ネジが つぶ れたり、ネジ折れやネジ頭が飛んだりするため、力を抑えて行う必要がある作業。 例)サッシネジの締め付け。M6程度の小ネジの締め付け。 |
強 | 4,100回/分 | 締め付け時にパワーやスピードを優先したい作業。 例)長めの木ネジの締め付け。ボルトの締め付け。 |
楽らく | 4,100回/分 | 締め始めのネジ倒れを起こしにくくするアシストモード。 例)長めの木ネジの締め付け。 |
ミニビスを締める時などパワーが強すぎると、ネジの頭を飛ばしたり、材を壊してしまったり。
そういった失敗が起きにくいようモード切り替えで回転数や打撃数を切り替えられるようになってます。
また、楽らくモードではトリガーの引き具合を一定にしていても、回転数/打撃数を調整してくれるため、カムアウトしたりといった失敗を軽減してくれます。
充電式インパクトドライバ TD157DRGX_DZ /株式会社マキタ (makita.co.jp)
ゼロブレ:ビットブレ低減
充電式インパクトドライバ TD157DRGX_DZ /株式会社マキタ (makita.co.jp)
TD157Dではビットのブレを最小限に抑えてくれるゼロブレ(ダブルボールベアリング)を搭載。
特に長いビットを使用する時のビットの振れを大幅に低減してくれています。
防滴・防塵対応
充電式インパクトドライバ TD157DRGX_DZ /株式会社マキタ (makita.co.jp)
『TD157D』は防滴・防塵設計が施されたAPT適用機種となっており、過酷な現場作業でも安心して作業が可能。
屋外で雨に打たれたり、木くずや鉄くず、粉塵の多い環境でも故障しにくいように配慮された構造となってます。
APTについては以下記事で解説してますのでご参考までに。
未搭載機能
- テクスモード,ボルトモード
- LED連続点灯
- ワンタッチビット
「TD173D」等のフラグシップモデルに搭載されているテクスモード、ボルトモードは未搭載。
LEDの連続点灯には対応していないので簡単なワークライト代わりとして使うのはやや物足りないですし、ワンタッチビット取り付けには対応していないので、ビットの取り外しがやや手間。
ただ、上記どの機能もあったらないと困る!!との類のものではないので、作業をできるだけ効率化したいとか、必要性を感じる人は「TD173D」等の上位機種を検討してみてもいいのかなと思います。
他機種との比較
上位モデル「TD173D」との比較は以下ページで解説してますので、こちらをご覧下さい。
⇒【インパクトドライバ_TD173D_レビュー】40Vmaxを超えるビス打ち速度|18Vフラグシップモデル
TD149Dとの比較
同じ18V機種「TD149D」と比較してみます。
TD149D | TD157D | |
---|---|---|
モータ | ブラシモータ | ブラシレスモータ |
最大トルク値 | 165N・m | 140N・m |
最大回転数 | 2,300回転/分 | 3,000回転/分 |
最大打撃数 | 3,200回/分 | 4,100回/分 |
モード切替 | なし | 弱/強/楽らく |
防じん・防水 | なし | APT |
ワンタッチビット | なし | なし |
その他機能 | LED | LED |
Amazon価格 (本体のみ) | 14,630円 | 14,450円 |
並べて見ると、『TD157D』の方が小型で軽量。
トルク値は『TD157D』(140N/m)の方が「TD149D」(165N・m)よりも低く、力強さに関しては「TD149D」にやや劣りますが、ビス打ち速度に関してはほぼ変わらないです。※後にでてくる120mmコーススレッドの打ち込み速度参照。
大きく異なるのはモード切替の有り無し。
「TD149D」(モード切替:無し)ではモード/強弱の設定ができないのでトリガ操作で調整が必要ですが、『TD157D』(モード切替:有り)であれば強弱の設定がスイッチで可能になってます。
あと『TD157D』には楽らくモードもついているので、木材へのビス打ち込みの時など自動で回転数を調整してくれるので、カムアウトを低減したり、作業の失敗を減らしてくれます。
なお、Amazon価格ではほぼ同価格となっているので、「ちょっとでもパワーがあった方が良い」とかのトルクへの強いこだわりが無ければ、APT機能も搭載していて安心な『TD157D』でいいのかなと思います。
TD111Dとの比較
TD111D | TD157D | |
---|---|---|
モータ | ブラシレスモータ | ブラシレスモータ |
最大トルク値 | 135N・m | 140N・m |
最大回転数 | 3,000回転/分 | 3,000回転/分 |
最大打撃数 | 3,900回/分 | 4,100回/分 |
モード切替 | 弱/強/楽らく | 弱/強/楽らく |
防じん・防水 | なし | APT |
ワンタッチビット | なし | なし |
その他機能 | LED | LED |
Amazon価格 (本体のみ) | 13,373円 | 14,450円 |
第一印象で似てるなと思った「TD111D」(10.8V)と『TD157D』(18V)の両機種。
スペックを比較してみてもほとんどの項目で同じ仕様となっており、異なるのは重さと防塵・防水性能、価格。
重さに関して0.4kgの差があり、実際にふり回してみても断然「TD111D」の方が扱いやすいです。
その重さの違いに関してはバッテリの差分が大半を占めており、『TD157D』でも小容量バッテリを持ってくればそれなりに軽量化は可能ではありますが。
ただ、屋外や粉塵の多い環境で使用する場合には『TD157D』(防じん・防水:APT)の方が安心。
価格的には1,000円の違いなので、バッテリ環境、使用場所・環境に合わせて選択していただければいいかなと思います。
実際に使ってみる
コーススレッドやらピアスビスやら試し打ち
材料 | 太さ×長さ | モード |
木材 | Φ3.3×45mm | 弱 |
Φ4.8×90mm | 強 | |
Φ5.2×120mm | 強 | |
Φ5.2×120mm | 楽らく | |
LGS | Φ4.0×13mm | 弱 |
鉄板t3.0mm | Φ4×10mm | 強 |
コーススレッド120mmのビス打ち速さ
当ブログでは120mmのコーススレッドのビス打ち速さで各機種を比較。
※木材硬さの違いや、トリガーの引き方の微妙な違い等の条件で誤差は多少あるかと思いますが、参考までに。
120mmのコーススレッドを打ち込むのに大体3.8秒。
同じマキタ18V機種と比べると、「TD149D」(4.0sec)とほぼほぼ同じ、「TD173D」(2.2sec)には大きく突き放された状況です。
またDIYモデルの「MTD002D」(3.7sec)や10.8Vの「TD111D」(3.9sec)とも変わりなしとのことで、作業効率(ビス打ち速度)については無難なところと認識してもらっていいかなと思います。
TD157Dのメリット・デメリット
というわけで、情報をまとめると。。。
メリット | デメリット | ||
〇 |
コンパクト・軽量で取り回し良し | ✕ |
作業効率を求める人には物足りない |
〇 | モード切替で作業の失敗を低減 | ✕ | 10.8V「TD111D」とスペックはほぼ変わらないが価格はちょい高め |
〇 | 防じん・防水機能「APT」搭載 |
というわけで、冒頭にも記載してましたが、『TD157D』をオススメできる人は
こんな方にオススメ♪
- 造作作業がメインでそこまでパワーは要らない
- 現場作業で雨に打たれたり粉塵が舞う可能性がある
- できるだけ軽くて振り回しやすい機種がいい
まとめ
ということで今回は『TD157D』をレビューしました。
パワーに関してはそこそこではあるものの、モード切り替えもあったり、防塵・防水設計(APT)になっていたりと造作工事をメインにしているプロの方でも満足できる機種になっていると思います。
ただ、小型・軽量をメインにしているものの、そこに関しては上位機種「TD173D」との差はほとんどないため、予算とも相談しつつ、可能なら「TD173D」に行く方が個人的には満足度は高いかなと思っちゃってるのが正直なところです。
では。みなさんが自分に合った電動工具に出会えることを願って。