今回ご紹介するのはマキタ40Vmaxインパクトドライバ『TD003G』。
「TD002G」の弟分的な立ち位置で2024年1月に発売。
ボルトの締結・緩め作業に最適な逆転オートストップモードを搭載し、ナットの緩みを検知すると自動的に回転が止まり、ナットの脱落を防いでくれます。
その他、「TD002G」にある楽らくモード(木材、テクス)は排除した、ボルト作業に最適化した機種になります。
今回はそんなボルト・ナット大好き『TD003G』についてレビューしていきます。
こんな方にオススメ♪
- う~ん。。。現時点ではオススメできる人っていない。。。
- BL4020バッテリをなるべくお安く手に入れたい人?
執筆時点では上位TD002Gの方が安いので、、、
TD003Gのラインナップ
『TD003G』のラインナップは本体のみ、バッテリ×2と充電器がセットになった2種類。
なお、カラーバリエーションはマキタブルーのみとなってます。
TD003GZ:本体のみ
本体色 | 青 |
バッテリー | 無し |
充電器 | 無し |
収納ケース | 無し |
その他付属品 | フック |
TD003GRAX:バッテリー2個(ハードケース)
本体色 | 青 |
バッテリー | 2.0A×2個 |
充電器 | 付属 (DC40RA) |
収納ケース | ハードケース |
その他付属品 | フック |
TD003Gの価格帯
ラインナップ | 定価 | Amazon価格 (2024年4月調べ) |
---|---|---|
TD003GZ (本体のみ) | 28,100円 | 22,900円 |
TD003GRAX (フルセット:2.0Ah) | 80,800円 | 54,180円 |
TD002GZ (本体のみ) | 31,100円 | 20,500円 |
TD002GRDX (フルセット:2.5Ah) | 90,500円 | 54,108円 |
TD003GZ:本体のみであれば定価で28,100円、TD003GRAX:フルセットで80,800円となっており、インパクトドライバとしてはかなり高価な部類に入り、インパクト最高峰機種である「TD002G」よりちょっと安いぐらい。(定価では)
Amazonでの実販売価格を調べると、上位機種である「TD002G」よりも販売価格は高くなってます。
まだ発売されて間もないことも理由としてあるかなとは思いますが、少なくとも現時点では機能は劣るけど値段は上な『TD003G』を敢えて購入する選択は無しですね。
\TD003Gの最新価格は以下からチェック/
TD003Gの外観とサイズ・重量
外観・基本スペック
今回購入したのは『TD003GZ』。
インパクトドライバ本体のみの商品で、Amazonで約23,000円で購入しました。
TD003GZのセット内容
- インパクトドライバ本体 TD003G
- フック
- 取扱説明書
従来なら基本的にマキタ純正のNo.2(+)ドライバビットも付属されてましたが、『TD003G』ではドライバビットは別売りとなってます。
物価・素材高騰のあおりかな??
2.5Ahバッテリー(BL4025)取り付け時。
フルセット『TD003GRAX』の場合、付属のバッテリは2.0Ah(BL4020)になります。
BL4025バッテリ取付時で重さが1.65kg。
上位機種である「TD002G」(1.71kg)より若干軽いのは軽いですが、ほぼ誤差範囲内で使ってる中での違いはないです。
各種機能
機能 | 内容 |
---|---|
モード設定 | 全5モード (強弱4段階+逆転OS) |
ビットワンタッチ取り付け | 対応 |
ライトモード | 対応 |
防水・防塵 | IP56 |
Bluetooth通信 | 対応 |
逆転オートストップモード搭載
『TD003G』の目玉、逆転オートストップモード。
ボルトやナットを緩めるときに便利なモードで、ナットの緩みを検知すると自動で回転が停止し、ナットの脱落を防いでくれます。
足場のバラシなどでナットを大量に緩めるときなど、重宝する機能ですね。
パワー設定で4モード(弱,中,強.最速)となっており、これは上位機種の「TD002G」と同じ。
「TD002G」にある各種楽らくモード(木材、ボルト、テクス)は搭載してないです。
参考までに、各モードの詳細をまとめておきます。
モード | 最大打撃数 | 用途・動作内容 |
最速 | 4,100min-1 | パワーやスピードを優先したい作業 【例】下地材,長ネジ,ボルトの締め付け |
強 | 3,600min-1 | 最速ほど打撃力を必要としない一般作業 【例】造作作業時のネジ締め、ボルトの締め付け |
中 | 2,600min-1 | 仕上がりを重視する必要がある作業 【例】仕上げ材、石膏ボードなどのネジ締め |
弱 | 1,400min-1 | 力を抑える必要がある作業 【例】サッシネジ、M6程度の小ネジ等 |
逆転オート ストップ |
4,100min-1 | [逆転時] ナットやボルトが緩んだところでモータ停止 |
ゼロブレ+ワンタッチビット
『TD003G』でもワンタッチビットスリーブを採用し、ビット取り付けがとにかくストレスフリー。
ワンタッチの楽さを味わってしまうと、もう後戻りできない
軸受けにダブルボールベアリングを採用したゼロブレを搭載しており、精度が必要な作業にも持ってこいとなってます。
また、細かいところですが、ビットスリーブの形状に丸みを帯びさせることでスリーブが材料に当たった際に傷つきにくくなってます。
これは「TD173D」(18V)から採用されいてる形状で、「TD002G」にはない機能(形状)です。
2灯LED+ライトモード対応
ヘッド先端のLEDは両側に1灯ずつの計2灯。
「TD002G」の4灯LEDや「TD173D」の全周LEDと比べるとやはり影ができやすいですが、そこまで気にならないのも事実。
また、ライトモード(連続点灯)として使えるので、ワークライトとしても十分に使えます。
スマホアプリでのカスタマイズは非対応
『TD003G』では通信アダプタ「ADP11」を用いてのスマホとの連携は非対応。
スマホアプリで回転数やらスイッチフィーリングを自分好みに調整したい場合は「TD002G」もしくは、HiKOKIの「WH36DC」「WH36DD」になります。
防じん・防水性能:IPX6+APT
防じん・防水性能を表すIP規格としては「IPX6」。
これは、「防じん性能⇒規定しない、防水性能⇒あらゆる方向からの暴噴水(100ℓ /min)に対して保護されている。」となります。
どの角度から水を掛けても大丈夫。でも、取説上は「壊れないことを保証しているわけでは無い」とのこと。
また、マキタの独自性能表記である「APT」もついておりますので、IP上では防じんに関しては規定されておりませんが、一応、粉塵等に対しても耐性はあるとみて良いでしょう。
他機種との比較
すでにちょこちょこと話にでてきてますが「TD002G」と比較してみます。
TD003G | TD002G | |
---|---|---|
モータ | ブラシレスモータ | ブラシレスモータ |
最大トルク値 | 210N・m | 220N・m |
最大回転数 | 3,700回転/分 | 3,700回転/分 |
最大打撃数 | 4,100回/分 | 4,600回/分 |
モード切替 | 強弱4段階 緩めオートストップ | 強弱4段階 楽らく6種類 |
モードメモリ | ✕ | 〇 |
手元切替 | ✕ | 〇 |
ワンタッチビット | 〇 | 〇 |
ゼロブレ | 〇 | 〇 |
LED | 2灯 | 4灯 |
防じん・防水 | IPX6 APT | IP56 APT |
定価 | 31,100円 | 28,100円 |
最大トルク値はどちらも200N・m超でインパクトドライバとして十分すぎるぐらいのパワー。
「TD002G」(220N・m)の方がやや上ではあるものの、実際に使って見ても正直分からないレベルです。
大きな違いはやはり搭載モードの違い。
『TD003G』はボルト・ナット作業に特化しており、その他(木材・テクスなど)モードはそぎ落としてスマートに。
機能をそぎ落とした分、定価としては3,000円ほどお安くなっているわけですが、、、
2024年4月時点でのAmazon価格は22,900円で、「TD002G」は20,500円。
上位機種の「TD002G」の方が安い・・・
まだ発売されたばかりで価格が上振れしているのも関係しているかと思いますが、緩み検知ストップは「TD002G」にもボルトモードとして搭載されているので『TD003G』を購入する際には「TD002G」の価格もちゃんと確認してから購入した方が後悔しないかと。
実際に使ってみる
コーススレッドやらピアスビスやら試し打ち
材料 | 太さ×長さ | モード |
木材 | Φ3.8×45mm | 弱(1) |
Φ4.2×60mm | 中(2) | |
Φ4.8×90mm | 強(3) | |
Φ5.2×120mm | 最速(4) | |
LGS | Φ4.0×13mm | 弱(1) |
中(2) | ||
鉄板t3.0mm | Φ4×10mm | 強(3) |
単管ボルト | ー | 逆転オートストップ |
コーススレッド120mmのビス打ち速さ
当ブログでは120mmのコーススレッドのビス打ち速さで各機種を比較。
※木材硬さの違いや、トリガーの引き方の微妙な違い等の条件で誤差は多少あるかと思いますが、参考までに。
ビス打ちの速度は上位の「TD002G」とほぼ同じ。
トルク値が若干低いのと打撃数もちょっと少ないので数打って平均すると「TD002G」よりも遅くはなると思いますが、それでもコンマ数秒レベルの違いぐらいになるのではと思います。
TD003Gのメリット・デメリット
というわけで、情報をまとめると。。。
メリット | デメリット | ||
〇 |
逆転オートストップでボルト・ナット緩め作業に最適 | ✕ |
実販売価格が上位機種TD002Gより高い。。。 |
〇 | ビス打ち速度はTD002Gとほぼ同じ | ||
〇 | IPX6とAPTで防じん・防水性能 |
というわけで、冒頭にも記載してましたが、『TD003G』をオススメできる人は
こんな方にオススメ♪
- う~ん。。。現時点ではオススメできる人っていない。。。
- BL4020バッテリをなるべくお安く手に入れたい人?
執筆時点では上位TD002Gの方が安いので、、、
まとめ
ということで今回は『TD003G』をレビューしました。
上位機種「TD002G」の弟分として機能をそぎ落とされて登場したわけですが、、、
現時点では価格が兄貴より高いとのことで、選択肢としては無し。
今後、価格が落ち着いてきて「TD002G」より2,3千円ほど安くなってくれば、ボルト・ナットをメイン作業としている人にとっては選択肢になって来るのかと思います。